建築的甘味

ただ、たまに感じる甘味に惹かれて生きています。

秩序?

数か月前、校内の講評会で「君が設計したものには秩序がない」と言われた。

秩序とは何だろう?

藤森さんは秩序とは自然から出来たといった。

藤本さんは秩序を森から見出した。

各々の建築家は、秩序を見出している。

 

コルビュジェは秩序に例外を設けるのが上手いらしい。

規則正しく並べられた柱をずらすことに長けていたと。

コールハースも多分コルビュジェと同じだろう。

角柱角柱円柱角柱...傾いた柱...

 

混沌ではいけないのだろうか?

混沌とした空間、混乱した空間?

 

先生は、秩序がないといった後に、秩序が無いと芸術だとも言った。

芸術は秩序がない とは言わないが、秩序がないのは芸術の類になるということだろう。

決まりの中で展開していくのが建築なんだろう。

 

僕があの作品の中で秩序を見出せなかったのは、秩序は完成から見出すものではなくて完成を形成するものだと理解した。

その秩序さえしっかりしていれば、一見、混沌と、カオスとなっていたとしても、それは秩序づいた建築になるのではないか?

 

ピカソゲルニカはカオスな絵だと思う。

人の顔がまるで顔じゃないし、それ以外もよくわからない。

ただあれは、ピカソが自分で見出した秩序によって描かれているから混沌としていてもしっくりくるんだろう。

 

ずいぶん前に暗幕のゲルニカという本を少しだけ読んだ。

筆者は、そのゲルニカに心を奪われたらしい。

僕は本の数ページしか読んでいないからまだわからないけれど、僕だったら規則正しいものよりちょっとカオスなもののほうが感情を動かされる。

ただカオスだけじゃなくて、小さく秩序があるような。

あぁー

カオスな空間のほうが面白いのかもしれない。